早春の空 冬枯れの野に 野焼きの火が走る
声を掛け合う 牛追いの中
あなたの背中見つけた あの日
嫁入りの路 中岳遥か
穏やかに煙 たゆたわせ
晴れ渡る日も、雨降りの日も
こんな風に笑って生きなさい
幾重にも 幾重にも折り重なる稜線に
過ぎ去った日々 重ね合わせたら
何一つの後悔もない
阿蘇大橋から立野を臨み
夏の匂い吸い込んで
宿った命 健やかにと
五岳(やま)に祈り捧げた あの日
悲しいことがあるといつでも
寄り添ってくれたスズラン
誰に知られることもなくとも
こんな風に可憐に咲きたい
いくつもの いくつもの
時を超え 湧き出でる
この水のように また歩き出せる
力を今ください
いつの日か いつの日か
あの橋をあなたと
微笑みながら 渡る日が来ると
私は信じている
幾重にも 幾重にも
折り重なる出来事たち
全ての場面 全ての思いに
ただ一つの かけがえのない
私にはこの阿蘇(ふるさと)がある